認知症最新研究 特定の「音」を聞かせて原因物質アミロイドβを減少させる

公開日: 更新日:

「結果、アミロイドβタンパクが有意に減少。空間記憶(認知機能低下で障害を受ける目的地へ向かう機能)が改善するという脳に好ましい変化が生じました」

■ヒト対象の実験では脳室の拡大が抑制された

 では、人間では?

 22年発表の研究では、DrTsaiは40ヘルツ周期の断続音・断続光を発するデバイスを開発。人間を対象に実験を行った。

「やはり人間の脳内でもガンマ波が発生。しかも、健常な若年層、健常な高齢層、軽度のアルツハイマー病患者いずれでも発生したのです。第Ⅱ相試験(2段階目の臨床試験)では、40ヘルツ周期の断続音と断続光で、脳室の拡大が抑制されているという結果が得られました。併せて脳室の斜め下にある海馬の萎縮の抑制も確認されました」

 この研究を受けて、より実用的な音を開発したのが、日本の「塩野義製薬」と「ピクシーダストテクノロジーズ」だ。

 実は、DrTsaiの研究では、被験者の3割が脱落。というのも、40ヘルツ周期の断続音・断続光は、耳も目も塞がれて1時間刺激を受けなくてはならず、音もパルス状で不快という背景があったからだ(ただし、重篤な有害事象は報告なし)。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」