正しい「嚙み合わせ」は健康寿命を延ばす 高齢でも放置してはいけない
噛み合わせが悪いと、普段からしっかり噛めない状態で食事を取るので慢性的な消化不良になりやすく、とりわけ高齢者では栄養が十分に吸収できなくなって、フレイルをはじめさまざまな病気の原因になる。唾液の量が減ってのみ込む力も弱くなり、最悪の場合、誤嚥性肺炎を引き起こすケースもある。
「また、噛み合わせが悪いと歯ぎしりが増え、睡眠中(レム期)も交感神経が強く活動し、心臓や内臓などが緊張した状態を引き起こし、ダメージを与える可能性があります」
噛み合わせが悪い人はしっかり正したい。
■半年に1回は検診を
まずは「姿勢」に注意する。姿勢の悪さは噛み合わせを悪くする原因になるからだ。特に現代人は日々のパソコンやスマホの操作で姿勢が崩れ、体を支える筋肉の緊張状態が続いている。その結果、顎関節が前後左右に引っ張られ徐々に噛み合わせもずれていく。
「歯周病」が噛み合わせのずれを招いているケースもある。歯周病が進行すると歯を支える骨が溶けて歯を支えられなくなり、歯が抜けて噛み合わせを不安定にさせる。逆に、噛み合わせが悪いと歯周病を悪化させる要因にもなる。噛むたびに特定の歯だけに力が集中して揺さぶられ、その歯の周りの歯茎や骨が壊れていく。歯並びが悪くなれば歯磨きの際に適切なブラッシングが難しくなり、汚れがたまって歯周病を悪化させる原因になる。歯周病は噛み合わせの悪さと密接に関係しているのだ。