サル痘改め「エムポックス」 日本でワクチンの臨床研究がスタート

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「22年5月以降の流行で世界中で約9万人が感染し、死者も3ケタを超えています。感染者の多くは男性です。この病気が恐ろしいのは、根本的な治療法がないことです。エムポックスを引き起こすウイルスは、オルソポックスウイルス属サル痘ウイルスで、同じ属には、ほかに痘そう(天然痘)ウイルス、牛痘ウイルスなどがあり、天然痘の治療薬に効果があるといわれています。そのため欧州医薬品庁や英国の医薬品・ヘルスケア製品規制庁は、天然痘のために開発された抗ウイルス薬であるテコビリマットを治療薬として承認しています。しかし、日本ではこの薬は未承認。あくまでも特定臨床研究用の使用になっています」

■「患者の健康は後回し」との声も

 そんな中、エムポックスの感染拡大をワクチンで防ごうとする試みも始まっている。HIVの研究・医療の中核を担う国立国際医療研究センターを中心に、主要なエイズ治療拠点病院に通院するHIV陽性者や、国立国際医療研究センターが運営するSH外来を受診するゲイ・バイセクシュアル男性を対象に、臨床研究に参加する患者を募集。感染者が集中する東京都では、複数の研究協力医療機関でワクチン接種がスタートしている。

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