サル痘改め「エムポックス」 日本でワクチンの臨床研究がスタート

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「国内で臨床研究として用いられるワクチンはLC16と呼ばれる日本企業が作ったワクチンです。LC16は昨年8月の薬事承認内容の改定により、天然痘の予防に加え、エムポックスの予防に使用することが承認されました」(尾上医師)

 LC16の対象患者は、①PrEPと呼ばれるHIV暴露前予防の処方を受けている人②男性と性交渉のある男性で過去1年以内に梅毒・淋菌・クラミジアのどれかにかかった、過去1年以内にグループセックスに参加した、現在2人以上の性的パートナーがいる、などに該当する人。すでに研究参加の登録期間は終了しているが、その結果、ワクチンが認められれば、その恩恵を得る人も出てくるはずだ。

 それにしても、天然痘に似たウイルスが引き起こす病気であるならば、治療薬同様ワクチンについてもすでに有効なものがあるのではないか。

 実際、HIV陽性者の中には、エムポックスのワクチンMVA-BNと呼ばれる比較的簡単に打てて実績のあるワクチンがある。にもかかわらず、なぜか、打ち方が面倒で実績のないLC16と呼ばれるワクチンが国内での臨床研究として用いられていることに疑問を持つ人もいる。「国内の特定企業の経済的利益を優先して、患者の健康を後回しにしているのではないか」との声もあるという。

 いずれにせよ、新たな感染症対策は徐々にではあるが、着実に進んでいるようだ。

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