「パパ活」「性感染症」「不妊症」…“貧困ニッポン”でジワジワ広がる背景
「淋菌感染症は男性の場合は2~9日の潜伏期間を経て尿道から膿が出て排尿痛があることが多い。女性は症状が軽く自覚しないまま経過することが多く、クラミジア感染症と同じように骨盤炎症性疾患、卵管不妊症、子宮外妊娠などの原因となることが知られています」(尾上院長)
2020年の不妊治療実績件数は約45万件。むろん、その大半は食生活や運動習慣の変化などに伴う体形の変化や出産の高齢化などが原因で性感染症とは無縁だ。しかし、軽い気持ちでパパ活に手を出し、性感染症に感染し、それが原因で不妊症となる。そんな女性もいると尾上院長は言う。
「『性感染症にかかっても今はいい薬があるから治るのでしょう』とタカをくくっている女性がいますが、間違いです。女性には男性と違って子供を産む能力が備わっています。若いうちはそのことにピンとこないかもしれませんが、性感染症によって子供が欲しくなってもできないことに悩む女性も少なくないのです」
性感染症の蔓延と少子化の背景には若い女性の貧困と孤独、結婚に夢を持てず、結果的にひとりで生きていくことを強いる社会があるのではないか。これらの問題は社会全体が本気で考えるべき課題ではないのか。