腕が痺れてつかめない…「胸郭出口症候群」を見逃さない3つの方法
■エデンテスト
胸を張った状態で両腕を体の横に垂らし、後ろ下に引っ張ってもらう。手指に痛みや痺れがあると腕神経叢が圧迫されている可能性が高い。
「エデンテストは狭くなった胸郭出口を物理的にさらに狭める検査なので、症状が現れれば陽性率はかなり高いと言えます。これらのテストが陽性であれば、神経の活動性を見る神経伝導検査や、胸郭出口の血管や神経の状態を確認するためにMRI検査を行い、最終的に診断しています」
野地氏によると、胸郭出口症候群と診断された大半は、肩回りの筋肉を鍛えたりストレッチにより筋肉を柔らかくしたりするだけで症状が改善されるという。なで肩が原因の場合には僧帽筋強化のトレーニングが有効だ。自宅で行う場合には、2リットルのペットボトルに水を入れて両手で1つずつ持ち、ばんざいした状態から肘を90度曲げた状態で肩の高さまで両腕を下ろし肩甲骨を寄せる。その際、肘を落とし過ぎるとかえって胸郭出口が狭まるので注意したい。
「それでも痛みや痺れが悪化する場合には、腕神経叢の炎症を抑えるブロック注射や、胸郭出口を狭めている前斜角筋など圧迫構造物の切除手術が検討されます。ただ、発症から長い時間放置していると神経自体が損傷し、手術を行っても痛みや痺れは完全に除去できません。悪化させないためにも早めに診断を受けることが大切です」