HPVワクチンを16歳~27歳女性が公費で打てるチャンスは残り半年
WHOは患者10万人あたり4人以下になった状態を子宮頚がんの撲滅と定義し、諸外国ではHPVワクチンの接種の普及率向上、子宮頚がん撲滅に積極的に取り組んでいる。その動きに対して日本は大きく後れを取っている状況だ。
HPVワクチンに関しては、日本で接種が開始となった当初、健康被害が大々的に報道されたことから、「なんだか怖い」と思っている人もいるだろう。しかしそれは、3万人対象の大規模調査「名古屋スタディ」で、訴えのあった健康被害とHPVワクチンは無関係との結果が出ている。
「WHOも安全上の問題はないとしています」(門間院長)
よく誤解されるのが、「ワクチン接種をしなくても、子宮頚がんの早期発見に努めればいいのでは」ということ。
「そもそも子宮頚がん検診の受診率は高くありません。自覚症状に頼っていると早期発見につながりませんし、早期発見であっても、将来の妊娠時の流産や早産のリスクが高まります」(門間院長)
また、「現段階では子宮頚がんではないが、この先はわからない」という「異形成」という状態で見つかると数カ月ごとの定期検診がずっと続くことになる。
HPVワクチンを公費で打てるチャンスは、あと半年。接種開始当初の報道にとらわれず、情報をアップデートするべきだ。