認知症の人と心を交わす「バリデーション」の具体的な方法は?
「バリデーション」は、認知症の方に対して傾聴、受容、共感を通して心と心の交流を図るコミュニケーションの方法です。今回は、在宅介護でも取り入れられる実践法についてお伝えします。
相手への共感が求められるバリデーションは、まずはご自身の心に余裕がなければなりません。実践する前に、深呼吸などをして、ご自身なりの方法でイライラや怒りの感情を静める「センタリング」を行う必要があります。
相手の感情を受け入れる準備ができたら、相手の真正面に座って目をしっかりと見つめ、アイコンタクトを取りましょう。相手の表情、感情をよく観察した上でその方が「(すでに亡くなっている)母に会いたい」と訴えた場合、まず、「お母さんに会いたいのですか?」と相手の言葉に含まれる重要なキーワードを繰り返す「リフレージング」を行います。次に、「お母さんはどこにおられるのですか?」「お母さんはどんな人ですか?」「会ったら何を伝えたいですか?」など、いつ、どこで、誰が、何を、どのようにといった質問を投げかけます。ただし、「なぜ」という質問は避けましょう。