(12)細胞のリプログラミングはどこまで進んでいるのか

公開日: 更新日:

「分裂」と「分化」は混同されがちだが、「分裂」は細胞の数を増やすことであり、「分化」は細胞の役割に見合う役割を身に付けていくことをいう。

■iPS細胞の作製過程を省く手法の開発も

 細胞のリプログラミングを具体的に言うと「iPS細胞」ということになる。2006年に京大の山中伸弥教授(現京大iPS細胞研究所名誉所長)の研究グループが、マウス由来の体細胞に多様性をつかさどる4つの遺伝子を挿入することで生成に成功した。山中教授はこの画期的な発見により2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞している。

「同じような万能細胞にES細胞があります。ヒトの皮膚などの体細胞から作り出すiPS細胞は、ヒトの受精卵を破壊して取り出した細胞をもとに万能細胞を作るES細胞に比べて、倫理的懸念がありません。この発見により、必要な臓器や組織に分化誘導して、病気やケガで損なわれた臓器や組織に移植する再生医療や、iPS創薬(患者から生成したiPS細胞を使って病態を再現した疾患モデルを作って効果のある薬剤の開発をすること)などがより現実的になっています」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  2. 2

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  3. 3

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  4. 4

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  1. 6

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  2. 7

    永野芽郁“二股不倫”疑惑でCM動画削除が加速…聞こえてきたスポンサー関係者の冷静すぎる「本音」

  3. 8

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及

  4. 9

    綾瀬はるかは棚ぼた? 永野芽郁“失脚”でCM美女たちのポスト女王争奪戦が勃発

  5. 10

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり