「鉄分」が不足すると心臓にとって大きなマイナスになる
貧血で鉄剤の服用を開始した場合、赤血球が新たに作られてフェリチンが十分な値になるまで一般的には4~6カ月かかるため、半年ほど治療を続けることが望ましいといえるでしょう。
また、鉄分は食事で摂取することも重要です。鉄分には動物性食品のヘム鉄と、植物性食品の非ヘム鉄があり、ヘム鉄は体内への吸収率が高く、非ヘム鉄はビタミンCやタンパクと一緒に取ると吸収を高めるといわれています。
ヘム鉄は、牛肉、レバー、赤身の魚、アサリ、カキなどに多く含まれていて、非ヘム鉄は、納豆、レンズマメや枝豆などの豆類、小松菜やホウレンソウなどの野菜、ひじきなどの海藻類に豊富です。貧血気味の人は、食事から鉄分を摂取することを日頃から心掛けるといいでしょう。
慢性的に鉄分が不足している場合、心臓に負担がかかって何らかの影響が出る前に、まずは貧血の症状が先に現れる可能性が高いといえます。ですから、近ごろ疲れやすくなったとか、少し動いただけで動悸がするといった変化を自覚したら、医療機関を受診して血液の状態をチェックすることをおすすめします。