ドタキャンと前言撤回はよくある話…親と子供の意識にはギャップがある
実はこの日、Aさん夫婦は施設の見学に立ち会うため、熊本行きの飛行機を予約していた。それが無駄になってしまう。興奮気味の妻と電話を代わったAさんが理由を尋ねると「ウチがいいのよ。ご近所さんとも楽しくやっているしね」と義母は謝りながらも、頑として自宅で暮らし続ける意思を変えなかった。
準備を進めてきた方としてはガックリしてしまうが、そもそも自分の介護話を積極的に進めたがる高齢者はまれだ。子供の気持ちだけで事を進めるのは無理がある。気持ちが揺れ動いている間に大きな決断をせかすのは得策ではないようだ。
一方、長い間通所リハビリを嫌がっていた人に体験利用までこぎつけたところ、お風呂が気に入ったと前言撤回。友好関係が広がり今では週に2回のお迎えを楽しみにするようになった例もある。
ドタキャンと前言撤回。突発的な変化は「よくある話」と考えられる気持ちの余裕を持ちたいものだ。