(3)アニマルセラピー…ハスキー犬2頭との散歩で元気を取り戻す
小野所長がYさんに何をしたいか尋ねると、こんな答えが返ってきたそうです。
「誰もいない無人島に行って、漫画を描いていたい」
「だったら、私が船に乗って無人島まで会いにいかなくちゃね」
小野所長のこの返しが、Yさんの心を大きく動かしました。
「そこまで自分に関心を示してくれる人は初めてでした。この先生なら信頼できると思ったのです」(Yさん)
信頼関係ができたことで、ひきこもり気味だったYさんはカウンセリングにもきちんと通うようになりました。
さらに、Yさんの回復に大きな役割を果たしたのがアニマルセラピーでした。小野所長が飼っていた2頭のハスキー犬の散歩を集団カウンセリングの同年代の仲間たちと行うことで、Yさんはどんどん元気を取り戻していったのです。
「Yさんは不登校で家に引きこもっている間、生きる意欲が低下していました。そこで日常生活の中で役割をこなしてもらう行動をしてもらいました。頭で考えるのではなく体を動かして自分の役割を果たすことが、意欲につながっていくからです」