顕正会(前編)強引な勧誘に全国の大学が警戒する日蓮正宗教団
やがて自衛隊内での顕正会の活動は沈静化。99年には前出の顕正会内の男子部第2隊が解散した。
「自衛隊の情報保全隊(旧調査隊)と公安当局の情報収集や圧力で収束したのではない。彼ら自身の早急かつ過激な折伏が原因で自滅したのだ」(防衛省関係者)
信者の自衛官たちは上官や同僚だけでなく、自分たちの動向を調べるために近づいてくる調査隊員にまで顕正新聞を手渡してしつこく勧誘していたのだ。そのため隊内でトラブルが絶えず、信者たちは自然と左遷や退官に追い込まれていった。こうして活動が沈静化し、解散となったのである。
しかし民間人には、現在も強引な勧誘を繰り返している。2000年代に入ってからも、多くは起訴猶予になっているが、逮捕者を出し続けてきた。勧誘相手を監禁したり、「逃げたら殺す」と脅したりといった具合だ。大学生を車で連れ回しながら勧誘し、誘拐容疑で逮捕された信者もいる。全国の大学では顕正会の学生勧誘が問題視され、信者になった高校生が高校内で勧誘活動をしてトラブルになった例もある。
実は筆者は顕正会の勧誘を受けて、信者になったことがある。次回はその体験をリポートしたい。(一部敬称略)
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