円安と原油高が秋に直撃! 食品値上げラッシュで家計は「10万円」の負担増
食品値上げに加え、家計負担増の要因は目白押しだ。電気・ガス代は5月使用分から政府の激変緩和措置の補助額が半減し、6月使用分から補助が消滅する。電気代は4月使用分から再生可能エネルギー発電促進賦課金が引き上げられた。そこへ追い打ちをかけるのが円安と原油高だ。
みずほリサーチ&テクノロジーズの試算によると、2人以上世帯における家計負担増額は今年度、平均10万5506円に上るという。ちなみに昨年度の試算は平均9万4852円。22年度から約20万円の負担増だ。みずほリサーチ&テクノロジーズ調査部の安川亮太氏がこう指摘する。
「試算では今年4~6月期の円相場を1ドル=154円として、徐々に円高に振れていくと想定しました。ところが、足元では想定以上に円安が進んでいます。現在の円安・原油高が続けば、コストプッシュインフレが収まらず、試算以上に負担増が生じるかもしれません。物価と賃金が同時に上がっているように見えますが、個人消費の増加を含む『好循環』に至るかどうか見通せない状況です」
すでに23カ月連続マイナスの実質賃金は歴史的な円安のせいで、ますますプラスへの好転が見込めない。毎年10万円も家計負担が増えては、賃上げ効果なんて胸を張れたものではない。