しゃぶしゃぶとマハラジャには「切っても切れない縁」が…しゃぶ禅に聞いた
厳選された上質な牛肉をだしにくぐらせ、秘伝のタレでいただく「日本料理 しゃぶ禅」。1983年の創業以来食べ放題にこだわり続け、まだしゃぶしゃぶ専門店が少なかった時代に和の味を知らしめた。
そのしゃぶ禅、バブル期を象徴するディスコの一つ、「マハラジャ」とは切っても切れない関係がある。まるで真逆の業態にも思えるが、実は菅野雄介社長の父である菅野諒氏がマハラジャの生みの親なのだ。
しゃぶ禅は「マハラジャで遊ぶ前に、しゃぶしゃぶを食べていただく」というのが当初のコンセプト。1号店は83年に六本木にオープンし、翌年に麻布十番のマハラジャが誕生した。
当時、六本木で食べ放題3500円という破格料金は採算を度外視したもの。これはマハラジャが大ヒットしているときに新ブランドを立ち上げ定着させるのが狙いだったからだ。
しゃぶ禅がおもしろいのは、チェーン店なのに店舗によってメニューや価格が異なること。
「地域により、お客さまが好まれるメニューが違うからです。例えば、接待利用が多い店は接待に合いそうなコースを、家族利用が多い店は家族でお腹いっぱい食べられるよう、よりリーズナブルな価格の食べ放題コースを提供しています。これは地域に根差したお店づくりをしたいという思いからです」(広報担当者)
しゃぶ禅は担々うどん専門店「ごまいち」も展開。しゃぶ禅で毎日仕込む秘伝の「胡麻だれ」を多くの人に知ってもらおうと、2年前に虎ノ門に1号店をオープンさせたのだ。しゃぶしゃぶは夏場に需要が落ちるのがやや欠点。自慢のタレでつくる担々うどんはその欠点を補ってくれる存在だ。