過酷な避難所生活を救うのは「たき火と笑顔」 阪神・淡路大震災での思い出
③発災数日後
日本観測史上最大のマグニチュード9.0を記録した東日本大震災から14年。いつどこで大地震が起きるのか不安は尽きないが、重要なのは備えだ。ボランティア活動に従事してきたタレント・清水国明がその極意を伝授。前回の当欄で「発災数時間後」の対応を聞いたが、連載最終回は「発災数日後」の動き方を教えてもらった。
◇ ◇ ◇
発災から数日後というと、自宅待機の人はともかく、より苦労するのは避難所生活を余儀なくされる人でしょう。特に寒い時季は防寒が重要。冬季に発生した阪神・淡路大震災の支援活動に行った時のことです。避難所の体育館で皆さん掛け布団を2枚も3枚も掛けている。それでも皆、「寒くて仕方がない」と言う。それもそのはず、寒さというのは「上」でなく「下」から来るものです。
だから、床から伝わってくる冷気を遮断すべきなのです。そのためには、段ボールなどを床に敷くこと。掛け布団しかなくとも、くるまるようにして寝て、下からの冷気を遮る。一番いいのは寝袋ですね。
あと、体育館での雑魚寝に慣れていない人は、人から見られないよう段ボールなどでパーティションを作ること。周囲から見られ続けるのは非常にストレス。鼻クソひとつほじれないしね。避難所で用意される災害用パーティションは管理者による監視が必要だからか、天井が取っ払われているケースが多い。それでも、できれば、かまくらみたいに天井を作った方がいいです。1、2日ならまだしも、1~2週間も天井がない状態で過ごすのはシンドイと思います。