軽自動車首位ダイハツの“自爆”で漁夫の利の…スズキは株価も反転上昇へ
相手の失策は自陣の好機──。スポーツ界では当たり前の理屈だが、これは無論、どの世界でも当てはまる。スズキの株価が上昇に転じた。
11月13日に年初来高値となる6577円をつけた後、12月14日には一時5436円まで売り込まれるなど、ほぼ一貫して下落基調が続いていたが、足元では6000円台を回復。さらに上値をうかがう展開だ。
反転の要因は他でもない。国内軽自動車市場における最大のライバル、ダイハツ工業の「大チョンボ」(業界関係者)だ。自社開発した車の全28車種(すでに生産を終了した車種を除く)で安全性確認試験などでの大量の不正が発覚。全工場で生産・出荷停止に追い込まれたというもので、稼働再開のメドは現時点で全く立っていない。
国による試験のやり直しなども行われる予定で、業界内では「(工場停止期間は)長期化必至」との見方が支配的。悪質性が高いとみなされれば、車の事実上の量産・販売認可に当たる「型式指定」の取り消しもあり得る見込みで、一部では「全治3年」といった声も飛ぶ。