9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?
「三菱商事は20%の三菱自動車株を保有し、グループが30%以上の三菱自株を持つことでこれまでの三菱自が日産の傘下にある状況は逆転する。すでに三菱商事が日産を買収するという流れも出てきています」
さらにホンダの動きも見逃せないとこう続ける。
「ホンダと日産の提携が水面下で動いていますが、日産の業績不振がここまで出てくれば当然ホンダが主導権を握り、ホンダが日産買収という現実味を帯びる可能性も否定できません」
新車開発に乗り遅れ、「売る車がない」とディーラーを嘆かせている日産。ゴーン元会長により一度は立て直された日産だが、その構造改革、コストカットでは多くの下請けや人材が切り捨てられた。開発する車を減らし、車種を圧縮しての電気自動車へのシフトも成果は上がっていない。経営陣の経営戦略の失敗に、技術の日産といわれる技術者たちの多くが歯ぎしりする状況が続いているという。元日産の幹部社員が言う。
「このままでは日産は三菱、ホンダに食い物にされるでしょうね。ゴーン会長の時も多くの優秀な技術者が海外メーカーに転職していきましたが、この流れは今また起き続けています」
技術者のAIやIT企業への転出が出始めたという。日産復活の道は厳しい。
(ジャーナリスト・木野活明)