ウミガメ食べてしのぐしかないガザの深刻飢餓…イスラエルが物資搬入停止で兵糧攻めに
現地からのSNSには、見るに堪えないほどやせ細った人々の姿が多く投稿されている。飢餓状態の人々に、「海外で高度な医療が受けられる」などと出国を促し、人々が自発的にガザを離れざるを得ない状況がつくり出されている。前出のハムザさんはこう言う。
「ガザを出たくはないが、幼い弟や妹がいる。もう、ここでは生きられない」
イスラエルのカッツ国防相は2月6日、ガザ住民の国外退去計画準備を軍に指示した。一度離れたらガザにはもう戻れない。
「限りなく純粋に近いユダヤ人国家」は、シオニストの念願である。ガザ住民の放逐が今始まろうとしている。ガザの大半は事実上、イスラエル領土のガザ地方となり、「人道地区」のみが「パレスチナ人居住区」とされるかもしれない。次なる目標は、ヨルダン川西岸地区の完全支配だろう。イスラエルにとって、むしろこちらが本命と言っていい。五万数千人を殺害しても、国際社会は経済制裁どころか強い非難もなく、この惨劇をただ黙殺している。
(ジャーナリスト・藤原亮司)