政治刷新本部の議論たった2週間の茶番! 岸田官邸は“やっつけエセ刷新”で「焼け太り」一直線
自民党派閥パーティーの裏金事件を受け、岸田首相の肝いりで発足した政治刷新本部。党本部で連日、岸田首相も出席する会議が開かれた。
前日の全体会合に続き、17日は弁護士や若手経営者など外部の有識者7人から意見を聞いたが、テーマは「派閥のあり方」に集中している。出席者からは「派閥解消」を求める意見も出たという。
「派閥の力学で総理になり、派閥に支えられた岸田さんは派閥大好き人間で、出身派閥の宏池会への思い入れも強い。派閥解消にまで踏み込むことはないでしょう。総理の念頭にあるのは、派閥から『カネと人事』を引き離し、政策集団として存続させるプランです。具体的には、現在は自粛している派閥パーティーの禁止と、内閣改造・党役員人事などで慣例になっている派閥からの推薦名簿の提出を取りやめる。党のガバナンスコードでこれらの禁止を定めることで決着させたいと考えているようです」(自民党閣僚経験者)
さらに、政治資金パーティー券の購入者について、政治資金収支報告書に記載する基準を現在の20万円から5万円程度まで引き下げる案も固まりつつあるという。こちらは与野党の協議を経て、26日召集の通常国会で規正法改正案を成立させることになる。
政治刷新本部は全ての党所属議員が参加できる全体会合を22日にもう一度開き、26日までに改革案の中間報告を取りまとめる方針だという。11日の初会合からわずか2週間で取りまとめるなんて、やっつけ仕事にも程があるというものだ。
「35年前の『政治改革大綱』が半年近くの議論を経て取りまとめられたことと比べると、あまりに場当たりです。しかも、当時の議論はフルオープンだったのに、今の政治刷新本部は当事者たちが密室で話し合っている。結局、岸田首相は党内向けに話をしているだけなのです。だから派閥や人事が主要テーマになる。国民が聞きたいのは、派閥のあり方より政治資金の流れを透明化するためにどうするかという議論です」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)