なにが正解かは、未だによくわからない。
と述べて問題となったことを。当時、あたしは、国の副総理が、なんて冷たいことをいうのだ、と憤った。きっと、今でもおなじような発言を聞けば、嫌な気分になるだろう。
ただ自分のことにして考えると、ちょっと違う。自分のごくごく身近な人についてもだ。
あたしは父と何度も相談をし、亡くなった母の延命治療はしなかった。医者に勧められたが、胃瘻なども施さなかった。
母はもう意思の疎通もできなかった。寝たきり生活がたたったのか、その姿もあたしや父が知っている美しい彼女ではなかった。なにより彼女に病院は似合わなかった。早くそこから出してあげたかった。
が、それはあたしと父がその時そう思っただけである。なにが正解かは、未だによくわからない。
正解がわからないからこそ、まだそれで良かったのかたびたび思い出し悩んでしまう。この件に関して、麻生さんのような軽口はいけない。ただ、真剣に話し合われて欲しいとは思う。