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室井佑月作家

1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

なにが正解かは、未だによくわからない。

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 と述べて問題となったことを。当時、あたしは、国の副総理が、なんて冷たいことをいうのだ、と憤った。きっと、今でもおなじような発言を聞けば、嫌な気分になるだろう。

 ただ自分のことにして考えると、ちょっと違う。自分のごくごく身近な人についてもだ。

 あたしは父と何度も相談をし、亡くなった母の延命治療はしなかった。医者に勧められたが、胃瘻なども施さなかった。

 母はもう意思の疎通もできなかった。寝たきり生活がたたったのか、その姿もあたしや父が知っている美しい彼女ではなかった。なにより彼女に病院は似合わなかった。早くそこから出してあげたかった。

 が、それはあたしと父がその時そう思っただけである。なにが正解かは、未だによくわからない。

 正解がわからないからこそ、まだそれで良かったのかたびたび思い出し悩んでしまう。この件に関して、麻生さんのような軽口はいけない。ただ、真剣に話し合われて欲しいとは思う。

【連載】室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」

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