著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

引退試合は行わず 広島・新井の決断が他選手に及ぼす影響

公開日: 更新日:

 広島の大ベテラン・新井貴浩が今季限りでの現役引退を発表した。プロ20年目、41歳。大卒ドラフト6位からの叩き上げで大成し、気付けば通算2000安打や300本塁打、1000打点などの大記録を打ち立てていた、まさに非エリートの雑草型スラッガー。引退は寂しい話だが、決断のタイミングとしては早くもなく遅くもない。絶妙な引き際だろう。

 ご存じ、現在の広島はセ・リーグの3連覇がほぼ確実視されている。よって、今後は広島の優勝カウントダウンと同時に新井の引退カウントダウンも注目を集めることだろう。球団の発表によると現時点で新井の引退試合は開催しない方向らしく、個人的にはそれもまた英断だと思う。わざわざ引退試合と銘打って、意図的に感動ポルノを演出する商業くささに頼らずとも、この引退発表によって大多数のファンは勝手に新井の有終を盛り上げてくれるはずだ。

 また、引退試合を開催しないことで、そこに生まれがちな生温かい片八百長、とまでは言わないまでも、引退選手に対する相手チームの露骨な忖度が見えにくくなるのもいい。実際は新井の現役最後の打席になると、おそらく消化試合になっていることも手伝って、相手投手は暗黙の了解みたいな感じで勝手に忖度するのだろうが、それはまあ清濁併せのめる範囲内だ。一定以上の実績を残した文句なしの名選手だけだと限定するなら、その程度の茶番は粋のひとつとして許容できる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    巨人のW懸案「ポスト岡本和真&坂本勇人」を一気に解決する2つの原石 ともにパワーは超メジャー級

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希「負傷者リスト入り」待ったなし…中5日登板やはり大失敗、投手コーチとの関係も微妙

  3. 3

    巨人「松井秀喜の後継者+左キラー」↔ソフトB「二軍の帝王」…電撃トレードで得したのはどっち?

  4. 4

    巨人秋広↔ソフトBリチャード電撃トレードの舞台裏…“問題児交換”は巨人側から提案か

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    阿部巨人が企む「トレードもう一丁!」…パ野手の候補は6人、多少問題児でも厭わず

  2. 7

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  4. 9

    佐々木朗希「中5日登板志願」のウラにマイナー降格への怯え…ごまかし投球はまだまだ続く

  5. 10

    佐々木朗希「限界説」早くも浮上…案の定離脱、解説者まで《中5日では投げさせられない》と辛辣

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「餅」で尿意ストップ! 映画の途中にトイレで席を立ちたくないなら

  2. 2

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  3. 3

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  4. 4

    阿部巨人が企む「トレードもう一丁!」…パ野手の候補は6人、多少問題児でも厭わず

  5. 5

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  1. 6

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  2. 7

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  3. 8

    広島新井監督がブチギレた阪神藤川監督の“無思慮”…視線合わせて握手も遺恨は消えず

  4. 9

    自民にまた「政治とカネ」問題!太田房江氏に選挙買収疑惑、参院選公認めぐり大阪でグチャグチャ泥仕合

  5. 10

    イケイケ国民民主党に陰り? 埼玉・和光市議補選は玉木代表が応援も公認候補まさかの敗北