球宴で2戦連発 阪神・原口選出の疑義を封じ込めたドラマ力
阪神の原口文仁がオールスターで2試合連続ホームランを放った。特に初戦の代打ホームランは、一部で巻き起こっていた原口のオールスター選出論争を封じ込める、得難い影響力があった。その上、第2戦では雨中の本拠地・甲子園にアーチをかけたわけだから、もう誰も文句を言えない結果となったのである。
そもそも、原口のオールスター選出は異例だった。何しろ、今季の成績は19試合の出場で打率.206、本塁打0(14日現在)。チーム内での役割も代打中心であり、とてもオールスターに選ばれる成績ではない。
しかし、それでも原口がプラスワン投票で選出されたのは、昨年末に発覚した大腸がんを克服したというドラマがあったからだ。
死を想起させる重病を乗り越えただけでなくプロ野球にまで復帰したのだから、成績を度外視してまで、思わず投票してしまう心理は十分に想像できる。
だが、その一方でオールスターは「トップ選手の集まり」という暗黙の共通認識もあるから、球界内外でモヤモヤする人もいるだろうし、本人も複雑な心境だろう。