五輪開幕確信のバッハ会長 “2度目の手のひら返し”に要注意
この人の言葉を信用してはいけない。
猛威を振るう新型コロナウイルスの感染者は、日本を含め世界107の国と地域で11万人を超えた。国内では9日、政府専門家会議のメンバーが、「新型コロナウイルスはインフルエンザのように暖かくなると消えるウイルスではない。対応が数カ月から半年、年を越えて続くかもしれない」と長期化の可能性について言及した。
テレビは朝から晩まで「コロナ、コロナ」で危機感が募る毎日だが、この人だけはノーテンキだ。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長のことだ。
IOCの理事たちは日本の現状を知ってか知らずか、先週の理事会で東京五輪の中止に関しては議論されなかったという。そればかりかバッハ会長は「東京五輪の成功に自信を持っている。7月24日の五輪開幕を確信している」と明言。昨10日のNHKが報じたニュースによれば、福島県営あづま球場で行われる五輪野球の第1戦を観戦する方向で調整していることがわかった。
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は9日の記者会見で、「パンデミック(世界的な病気流行)の脅威は現実的になってきた」と語った。感染による世界の死者が4000人を超えたことを考えれば、その認識は遅すぎるくらいだ。