落合博満に野村克也氏…名選手ほど財布のひもは固かった?

公開日: 更新日:

 だが、その後も落合氏が若手を連れて食事に出かけることはなかったという。

 2度の三冠王に加え、監督として南海(現ソフトバンクホークス)、ヤクルト阪神楽天を率いた故・野村克也氏もこんなエピソードを聞いた。

 野村氏がヤクルトの監督だった時だ。シーズンオフに結婚する二軍選手が野村氏に招待状を送ったものの、いつまで経っても返事がない。主賓の監督が欠席なら座席の変更も必要になる。そこで、野村氏の自宅に電話を掛けて本人に出欠を確認していた時、電話口の向こうから、こんな声が聞こえてきたという。

「行く必要ないわよ!」

 結局、野村氏は欠席。この選手は「監督ともなれば、それなりの祝儀を包まなければならないからかな」と思ったそうだが、野村氏とともに南海の主力打者を務めた門田博光氏は笑いながらこう語っていた。

「(野村の)おっさんはケチやで。長い付き合いだけど、コーヒー一杯ご馳走になったことがないわ」

▽富岡二郎 スポーツジャーナリスト。1949年生まれ。東京都出身。雑誌記者を経て新聞社でスポーツ、特にプロ野球を担当。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド