最後までロッテに笑いとチームに勝利をくれた「初芝劇場」
僕がロッテでプレーしていた当時、投手陣のまとめ役が小宮山悟さんなら、野手陣は初芝清さんでした。初芝さんにはお世話になったうえ、思い切り笑わせていただきました。
初芝さんといえば、ロッテを代表する三塁手。計11シーズンで2ケタ本塁打をマークし、うち4シーズンは20本以上。1995年には打点王のタイトルも獲得したクラッチヒッターです。
■「ミスター珍プレー」
そんなベテランのもう一つの顔といえば「ミスター珍プレー」。守備でのオーバーアクションはテレビの「珍プレー好プレー」番組でも名物になっていました。裏を返せば、それだけファンに愛されていた方なんです。
2005年の引退試合は圧巻でした。引退試合なのに死球を食らうというアクシデントもありながら、最後は「ファンの皆さま、そして世界一の応援団であるみんな。本当にありがとうございました」というスピーチで締め、胴上げ。スタンドからは真っ白な紙テープがいたるところから投げ入れられました。そして紙吹雪が舞う中、スタジアムを一周したのです。