遠藤航 類まれな人間力と発信力で五輪代表を牽引する
この質を突きつけられれば、森保一監督も彼をボランチの軸に据えないわけにはいかなくなる。
攻撃面で非凡なセンスを備えた柴崎がスペイン2部に所属し、代表活動でもやや不安定なプレーを垣間見せたこともあり、このタイミングで遠藤中心の構成へとシフト。それが今回の五輪オーバーエージ枠選出につながったのだろう。
もともと19歳で湘南の主将を務めたほどリーダーシップに長け、リオ五輪でも主将を務めた遠藤は極めて<人間力>が高い。
実生活では、4児の父で子育てにも意欲的なイクメン。若い集団の中で吉田麻也(サウサンプトン)と酒井宏樹(マルセイユ)の両ベテラン以上の<発信力>を発揮するかもしれない。
五輪では12年ロンドン五輪で4強入りした両先輩のような成功体験はないが、リオ五輪で1次リーグ敗退を味わった分、大舞台で何をすべきかを冷静に考えられるはずだ。
「五輪代表になるUー24世代のメンバーは、最終的にA代表を引っ張る選手にならないといけない。僕もそういう自覚をもってリオに挑みました。それに五輪に出たからと言って未来が約束されたわけじゃない。厳しさを感じながら大舞台を戦うべきだと思います」
時には苦言を呈してくれる27歳のデュエル王の「世界基準」は、五輪代表のメダル獲得に役立つに違いない。