中日1位・ブライト健太 愛読書は「第二の父」から渡された伊坂幸太郎の小説

公開日: 更新日:

 無名の都立高校から強豪の上武大(群馬)に進学。入部から半年が経とうとしていた9月、寮からの脱走事件を起こす。

「大学で初めて全国レベルの野球をやることになった。部の上下関係や技術面でもついていけないと思って逃げ出した。朝4時半に自転車こいで駅まで行って、始発を待って実家に帰りました」(健太)

 すぐに実家まで部員が迎えに来た。キャプテンから「将来4番を打つ選手なんだから帰ってきてくれ」と言われ、自身はその姿がまったく想像できなかったものの、その言葉に感動して寮へ戻ることを決めたという。

 父のジョンさんとは幼少期、自宅近くの公園でよくキャッチボールをしたというが、健太には「第二の父」もいた。足立区立第十一中学校軟式野球部とクラブチーム「シニアクラーク」でもチームメートだった親友の父親だ。「当時、勉強はまったくしていなかった」という健太。そんな“息子”を見かね、一冊の本を渡してきた。

「中学時代、そのお父さんから『百歩譲って勉強はできなくてもいいから、文字くらい読めるようになれ』と言われて、渡されたのが伊坂幸太郎の『グラスホッパー』という小説でした。それまで小説はまったく読んだことがなかったのに、没頭しちゃって2日くらいで読み終えた。大学に入ってからは年末に実家に帰ったときに読んだ本と新しい本を入れ替えています。最近は『ゴールデンスランバー』(伊坂幸太郎)を読みました。そのお父さんは実家に帰るたびに会うし、よく電話もする。第二の父です」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」