阪神・佐藤輝明は後半戦に急失速…今年も「シーズン30本塁打」の壁は高かった
阪神タイガースの生え抜き日本人選手によるシーズン30本塁打の壁は今年も高かった。この連載で何度も何度も書いてきたが、1985年の掛布雅之(40本塁打)と岡田彰布(35本塁打)以来、生え抜きでは誰一人として30本塁打をクリアできないまま、今年で36年が経過したわけだ。
宿敵・巨人では、その掛布・岡田と同時代にしのぎを削った原辰徳現監督が引退して以降も、松井秀喜、高橋由伸、阿部慎之助、坂本勇人、岡本和真と、新たな生え抜き日本人大砲が次々と出現し、彼らはみんな30本の壁を楽勝でクリアしてきた。それに比べて我が阪神は八木裕、新庄剛志、桧山進次郎、今岡誠、浜中治、中谷将大、大山悠輔と20本を超えた選手はちょくちょく現れたものの、どうしても30本が遠い。もっとも近づいたのは、2005年に今岡が記録した29本である。
今年こそはその高い壁をようやく、ようやく越える選手が現れたと信じていた。オールスター前なんか、30本なんて低い壁なんじゃないか、40本いくんじゃないか、と思っていた。ルーキー・佐藤輝明のことだ。