虎の大砲候補・井上もG岡本に志願し…阪神選手“弟子入り”は巨人アレルギーの裏返し

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 阪神の若手有望株も巨人の主砲に弟子入りしていた。13日に鳴尾浜での自主トレで明かしたのは、将来の大砲候補・井上広大(20)だ。巨人の4番打者で2年連続本塁打、打点の2冠に輝いた岡本和真(25)とは面識はなかったが、知人を介して弟子入りを志願。一緒に5日間練習し、打撃のコツを学んだというのだ。

 阪神では藤浪晋太郎(27)も巨人のエース菅野智之(32)の門下生となり、「軸足の使い方」についてアドバイスをされたと話していた。今オフは巨人のエースと4番が、ライバル阪神の悩める選手たちを指導したことになる。

 最近は球団の垣根がなくなってはいる。昨年は巨人・坂本と阪神・北條が行った。こちらは光星学院(現・八戸学院光星)の先輩、後輩の間柄だが、2019年には菅野と阪神・西勇、その前には巨人・高橋由と阪神・伊藤隼、巨人・杉内と阪神・岩田、巨人・小笠原と阪神・平野が自主トレを行った。全て阪神の選手が巨人の選手に頼み込んでいるのが共通点だ。

巨人の選手が阪神の誰かに教えを請うことはない

 巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏(評論家)がこう言った。

「藤浪が菅野に泣きついたと聞いた時、阪神に相談できるコーチや選手がいないのかと思いました。一昔前ならあり得ないことだが、藤浪は風当たりが強くなることを承知の上で、最後の手段として菅野を頼ったのだとすれば、その覚悟は評価できる。続いて高卒3年目の若手が岡本を頼った。阪神の首脳陣は複雑でしょうが、自分がこうなりたいという他球団の選手に、勇気を出して弟子入りする向上心を持つことは、悪いことではありません」

 阪神は昨年こそ巨人に13勝9敗3分けで、14年ぶりに勝ち越したものの、裏を返せば、長きにわたって負け続けてきた歴史がある。高橋氏が続ける。

「これだけ弟子入りするのだから、阪神の選手の中には巨人をライバル視するより、仰ぎ見る雰囲気があるのかもしれません。逆に巨人の選手が阪神の誰かに教えを請うことはまずない。過去の戦績もそうだし、巨人特有のプライドでしょうね。かつて遊撃の守備が不安定だった巨人の坂本が、原監督の勧めでヤクルトの宮本に弟子入りした際も、巨人OBの間では賛否両論ありました」

 負け越しを重ねてきた巨人アレルギーの裏返しでもあるようだ。

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