阪神ナインが気になる岡田次期監督の“視線”…指揮官交代とCS下剋上へ思惑入り乱れ
阪神の矢野燿大監督(53)が7日、8日に開幕するクライマックスシリーズ(CS)の記者会見に出席し、「開幕投手」に今季セ・リーグの最多勝、最優秀防御率、勝率1位の3冠に輝いた右腕・青柳を指名した。「2年連続でタイトルも取ってくれた。この試合は青柳に任せたいと思わせてくれる投手なので」と説明。キーマンには「ウチは足を使えるチーム。中野が出た後の近本やクリーンアップが相手は嫌だと思うので中野と近本です」と俊足コンビの名前を挙げた。
今季限りが決まっている自身の後任には、岡田彰布氏(64)の就任が内定している。在阪の球界関係者がこう言った。
「阪神ナインは次期監督の『視線』を気にしながらCSを戦うことになるでしょう。層の厚い投手陣はともかく、それが顕著なのは野手。監督が誰になろうと安泰なのは、佐藤輝、近本、大山の3人くらい。岡田氏は『143試合で最低100試合を主戦捕手に任せたい』と公言しているだけに、矢野監督に冷遇されていた梅野は正捕手奪還に向けて腕まくりをしているのではないか。一方で矢野監督に重用された糸原、中野、島田、捕手の坂本あたりは、監督が代われば、レギュラーはく奪や二軍落ちもあり得る。落ち着かないでしょう。今の阪神ナインは、矢野派とそうでないグループが入り乱れています」
借金3の3位に終わった阪神は今季、2位DeNAに9勝16敗と大きく負け越した。ただでさえ2勝11敗と分が悪い敵地・横浜スタジアムでの短期決戦で、選手が去る監督と来る監督の間で浮き足立てば、矢野監督がもくろむ下克上は難しそうである。