山田隆道
著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神・青柳晃洋は「沢村賞」基準にも入るのに…侍ジャパンから注目されないセ3冠投手

公開日: 更新日:

 阪神のエース・青柳晃洋が推定年俸2億4000万円で契約を更改した。阪神の生え抜き投手では藤川球児の推定4億円に次ぐ高額年俸で、かつてのエース・井川慶の最高年俸(2006年の推定2億3000万円)をも上回る。

 今年の青柳は2年連続で最多勝と最高勝率、初となる最優秀防御率のタイトルを獲得し、セ・リーグ投手3冠を達成。最多勝といっても2年連続13勝止まりなので、20勝を達成した往年の井川と比べると少し物足りないように思えるが、青柳の場合、本当に素晴らしいのは防御率だ。今年は2.05、昨年も2.48と、2年連続で沢村賞選考基準のひとつである防御率2.50以下をマーク。阪神は打力が弱いため、勝ち星がなかなか増えないが、その投球内容の安定感は球界屈指である。夏が鬼門だが。

 正直、ドラフト5位入団の青柳がここまでの投手になるとはまったく予想していなかった。オリックス山本由伸もドラフト4位、ソフトバンク千賀滉大も育成ドラフト4位ということを考えると、現在の球界はドラフト下位からの「叩き上げエース」の時代ともいえる。阪神では西純矢と森木大智の高卒ドラフト1位コンビも将来のエース候補として期待されているが、今年先発で4勝を挙げた才木浩人はドラフト3位、今年は故障もあって不調に終わったが、実績は十分のベテラン・秋山拓巳もドラフト4位である。阪神投手陣はドラフトのバランスも素晴らしいの一言だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

  3. 3
    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

  4. 4
    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

  5. 5
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  1. 6
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

  2. 7
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  3. 8
    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

  4. 9
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  5. 10
    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ

    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ