阪神史上初・杉山オーナー就任から始まる“阪急イズム”の注入…「現球団幹部の総退陣」もあるぞ!
「想像もしていなかった。身に余る大役。十分に優勝を狙えるチーム。優勝をお届けできるよう、全力投球したい」
21日、同日付で阪神の新オーナーに就任した阪急阪神ホールディングス(HD)の杉山健博社長(64)が記者会見で意気込みを語るとともに、こう強調した。
「球団の経営権は阪神電鉄にあることは変わりありません」
阪神が村上ファンドの電鉄本社株買い占めに端を発し、阪急の完全子会社となったのは2006年。あれから16年、阪急側の人間がオーナーになるのは、1935年の球団創設以来初となる。
その一方で、今回の人事では、阪神電鉄社長の秦雅夫氏が「代表権」を持つ代表取締役球団会長に就任。球団は今後、異例の“二頭体制”となるが、あくまでNPBへの新規加盟料対策ともっぱらだ。
在阪の放送関係者がこう言う。
「阪急阪神が経営統合した際の経緯があるだけに、阪急側も球団運営に関して細かいことまで口出しできなかった。NPBへの新規加盟料の30億円が免除されたのは阪神のおかげ。向こう10年間は阪神が経営するとの誓約書もあったからです。しかし、その10年はすでに経過。チームも優勝から遠ざかっているうえ、18年の藤原オーナー就任以降、同年オフの金本知憲監督の電撃解任などのゴタゴタが続いた。それやこれやでオーナー交代に至ったのでしょうが、阪急出身の杉山オーナーが代表権まで持てば、再び加盟料の30億円問題が再燃しかねない。だから阪神に球団の代表権を持たせたとはいえ、実質的には阪急が運営することになるでしょう」