混沌とする米国の大型ストライキの行方…“世界最強”MLB選手会の交渉力を左右しかねない
7月14日に始まった全米脚本家組合(WGA)と全米俳優組合(SAG-AFTRA)による63年ぶりの同時ストライキは2カ月がたった現在も進展がなく、2007年から08年にかけて3カ月に及んだWGAのストライキを超える可能性が高まっている。
一方、自動車業界も全米自動車労働組合(UAW)がGM、フォード、そしてクライスラーのブランドを傘下にもつ欧州のステランティスの3社との労使交渉が決裂してストライキが始まったものの、対立は先鋭化しても歩み寄りの姿勢はみられない。
WGAとSAG-AFTRAによるストライキは、映画やテレビの脚本を作成する際にAIを関与させないように要求するとともに、作品がストリーミング配信される際の脚本家への報酬の支払いの有無や金額の多寡が問題となっている。
UAWのストライキの場合は、組合側が4年間で40%の賃上げを求めるものの、経営者側の回答が要求額を下回っているため、交渉が妥結しなかった。
何より、大統領のバイデンが経営者側に対して「労働者と利益を分かち合うことを期待する」とUAWに肩入れするかのような発言をしているにもかかわらず、状況が好転しないことから、経営者側の姿勢の強硬さがうかがえる。