日本ハムがドラフト指名「即戦力投手ゼロ」の深謀遠慮…左右エース流出危機なのにナゼ
「大学生の即戦力投手が大豊作」。そういわれていたはずの26日のドラフト会議で、日本ハムは投手を1人しか指名しなかったことが話題を呼んでいる。
今オフは加藤貴(31)と上沢(29)の左右エースがそれぞれ国内FA権行使と、ポスティングシステムによるメジャー挑戦により、揃って出ていく可能性がある。それならばなおのこと即戦力投手をもっと取るべきだったのではないか──。そんな声がファンから噴出しているのだ。
ただでさえ、外れ外れ1位で指名した東洋大の最速158キロ左腕・細野晴希は制球に課題があるため、即戦力としては疑問符がつく。ファンの言い分は一理あるようにも思われるが、「加藤と上沢が抜けることも考慮した上で、日本ハムなりの戦略がある」と、球団OBはこう話す。
「新庄剛志監督(51)は昨年ドラフト2位の金村を高く評価しています。『今季は肩をケガしていなかったら10勝はしていたはず』と話していたとか。2015年ドラ1の上原は今季19試合で4勝7敗と負け越したものの、防御率2.75をマーク。その他にも、意外と投手陣はそろっています。さらに、今回のドラフトで野手を4人も指名したことで、頭打ちになっている既存の選手を積極的にトレードできる。投手が足りなくなれば他球団から持ってくればいい。そういう算段のようです」
昨年のドラフトでは「即戦力を取ってほしい」としきりに話していた新庄監督だが、今年は「1人くらいはお願いします」と言うにとどめていたという声も球団内から聞かれる。加藤と上沢が抜けたとしても、穴埋めできるメドはある程度立っているというのだ。