今秋ドラフトの目玉「最速158キロ」高校生右腕にも忍び寄るメジャーの魔の手
「我々にとっては本当の意味で脅威になった。気が気じゃないですよ」
とは、在京セ球団のスカウトだ。3月18日に開幕するセンバツ甲子園で連覇を狙う健大高崎(群馬)のエース・石垣元気(2年)について、
「最速158キロを誇る今秋ドラフトの目玉候補。2日に今年初の練習試合に先発し、ネット裏には日本4球団、メジャー3球団の計9人のスカウトが視察に集まりました。有力選手の試合にメジャーのスカウトが訪れること自体は珍しいことではありませんが、桐朋の森井がアスレチックスに入団したことで、これまでとは大きく事態が変わってしまいましたから」
と、言うのだ。
確かに、今年1月に桐朋(東京)の森井翔太郎(18)がメジャー複数球団の争奪戦の末、アスレチックスとマイナー契約を結んだことは、日本球界に衝撃を与えた。
過去にも日本の高校から直接、海を渡ったケースはあったものの、日本の球団からドラフト上位候補の評価を受けていた選手は皆無。渡米しても金銭的にも環境的にも厳しいマイナー契約の現実に直面し、志半ばで帰国する選手がほとんどだった。そこに風穴をあけようとした菊池雄星も大谷翔平も佐々木朗希も“直メジャー”は断念。プロ野球で経験と実績を積んでからメジャーに挑戦--というルートが現実的選択だった。