西日本短大付・西村監督に聞く「いまどきの高校生をどうやって指導しているのですか?」
──アプローチの仕方を変えていると。
「とにかく大事なのはコミュニケーション。今の時代は何かを言うと、すぐにハラスメントと言われがちです。だから大人たちも『言うのをやめよう』『関わるのをやめよう』となり、人間関係そのものが希薄になってしまう。むしろ、我々大人の方が、若い世代とコミュニケーションを取ることを放棄しているのでは?という思いもあります」
──他に現在と昔で違いはありますか?
「最近の若い人たちを見て思うのは『失敗した時に自分を傷つけたくないから本気でやらない』という傾向があること。いや、これは大人もそうですね。本気でやらず、どこか評論家的なところで自分の心を整えているような気がするんです。本気でやって失敗したら、確かに悔しさ、苦しさは強い。でも、成功した時のうれしさ、喜びも強い」
──確かに本気を出さずに失敗したら、言い訳にできます。
「どこまでが本気かというのは個人差があるので一概には言えませんが、僕は『やりたくてもできない子』は応援します。でも、『やろうともしない子』までカバーするのは、それは少し違うかな、と思っています。野球も勉強も、結果以上にやるその姿が一番大事なんだと、子どもたちにはよく話をしています」
(聞き手=阿川大/日刊ゲンダイ)