「加藤清正 豊臣家に捧げた生涯」近衛龍春著
豊臣秀吉に仕えた武将・加藤清正の生涯を描く歴史長編。
永禄5(1562)年に尾張で生まれた虎之助(清正)は、幼くして父を亡くす。しかし、母親の伊都が秀吉の正室・お禰のいとこだった関係で、天正2(1574)年、長浜城を築いたばかりの秀吉に仕官がかなう。
6尺3寸(約191センチ)の偉丈夫に成長した清正は、やがて福島正則とともに武功派の双璧と数えられるようになる。秀吉が柴田勝家と雌雄を決した賤ケ岳の戦いで武勲を挙げた清正は、3000石を与えられ物頭に昇進。そして天正16年、一揆の残党狩りと検地を担当した肥後の領有が認められ大名となる。
秀吉没後、遺児の秀頼を守ることに専心した清正の心の深奥に迫る力作。
(講談社 960円+税)