「ザ・漫才協会ファンブック」一般社団法人 漫才協会著
「ザ・漫才協会ファンブック」一般社団法人 漫才協会著
お笑いコンビ・ナイツの塙が会長を務めていることで知られるようになった漫才協会は、演芸の普及と人材の育成を目的に1955年に設立された公益法人。
2012年から「浅草 東洋館」をホームグラウンドに、漫才をはじめ、漫談やコント、紙切り、曲芸など、所属芸人が出演するお笑い寄席「漫才大行進」(毎月1~19日)を主催している。
本書は、その同協会に所属する芸人の名鑑。
巻頭のスペシャル企画で、協会の6代目会長を務めた浅草芸人のレジェンド・青空球児と相棒の好児、そして協会の外部理事を務める放送作家の高田文夫が鼎談。
高田が塙に頼まれ外部理事を引き受けた裏話や、まだ無名の若きビートたけしがいた当時の寂れていた浅草の思い出を語るかと思えば、好児が協会の3代目の会長コロムビア・トップの内弟子時代の話をするなど、多くのエピソードを交えながら協会の歴史と未来を語る。その軽妙な語らいは、そのまま漫才のようでもある。
さらにナイツと、テレビ番組で長年不仲だった2人が仲直りを果たして再ブレークしたおぼん・こぼんの協会の新旧実力派コンビの座談会を収録。
ナイツが協会に所属した意外な経緯などを明かしながら、お互いの芸について語り合う。
以降、U字工事をはじめ、協会初の「M-1」王者・錦鯉、芸歴60年を超える紙切りの達人・柳家松太郎、そして昨年、事務所の先輩のサンドウィッチマンの身代わりとして入会したという「わらふぢなるお」まで108組を紹介。
ちょっと高めの価格には秘密がある。本書持参で、浅草・東洋館での「漫才大行進」の入場料が何回でも500円引きになるそうだ。
本書で「推し」を見つけて、いざ浅草へ。
(主婦の友社 3980円)