「アリス」続編は前作興収30%発進 3D時代は終わるのか?
夏休みを視野に入れた今年の夏興行に早くも異変だ。第1弾で7月1日から公開されたばかりの米映画「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」がいまひとつのスタートなのである。
前作「アリス・イン・ワンダーランド」は2010年4月に公開され、なんと興収118億円を記録し、その年の興収第2位となったメガヒット作だ。この好記録の理由は主に2つ。3D映画の物珍しさと主演のジョニー・デップの人気であった。
10年は3D映画元年といわれた。前年12月から公開された「アバター」が興収156億円となり、ブームの火付け役になった。そのさなかに、「アリス」は公開された。
それから6年。3D映画ブームは沈滞してしまった。その理由も主に2つ。3D映像から新鮮さと驚きが減ったこと。正規料金に300円ないし400円程度、上乗せされる入場料金が高額であること。
3D映像は飛び出し感と奥行き感が売りだ。ただし、それはその魅力に見合う中身があってこそ生きてくる。「アバター」は壮大な世界観と3D映像の新しさがうまくかみ合った。だが、それ以降、中身とシンクロできる3D映画は少なくなっていった。