著者のコラム一覧
星野陽平ジャーナリスト

1976年、東京都生まれ。早稲田大学卒。編著に「実録! 株式市場のカラクリ」(イースト・プレス)、著書に「芸能人はなぜ干されるのか? 芸能界独占禁止法違反」「芸能人に投資は必要か? アイドル奴隷契約の実態」(ともに鹿砦社)がある。2017年には公取委で「独占禁止法をめぐる芸能界の諸問題」の講演を行った。

“日本を代表する女優”山本富士子 大映退社で出演不可能に

公開日: 更新日:

 50年代から60年代の日本映画界で活躍した女優だった山本は、62年の結婚を機に仕事と家庭の両立に悩み、63年、大映専属からフリーに転身。結果、一切の映画に出演できなくなってしまった。「日本を代表する女優」といわれた山本だったが、映画出演の依頼はなくなり、舞台出演の機会まで閉ざされた。これが五社協定の威力だった。

■五社協定で映画界は衰退の一途

 だが、公取委は五社協定の問題を認識していなかったわけではない。57年、独立映画株式会社が製作した「異母兄弟」に東映所属の俳優、南原伸二と東映との契約が切れた直後の女優、高千穂ひづるが無断で出演したことが問題となり、松竹が五社協定に基づいて自社チェーンでの上映を中止するという事件があった。

 独立映画は五社協定と東映の妨害が独禁法に違反するとして公取委に申告。これを受け、63年、公取委は五社協定について独禁法に「違反する疑いがあった」と認定した。

 しかし、実態は変わらず、五社協定は野放しにされた。五社協定によって映画界は映画会社間の俳優の交流が乏しくなり、企画力の低下を招き、衰退の一途をたどった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末