霜降り明星・粗品 R-1優勝の素質があるも「漫才がしたい」
お笑い第7世代のトップランナーとして奮闘している霜降り明星。ツッコミ担当の粗品君に初めて出会ったのは、なんばグランド花月の前にある若手の劇場「5upよしもと(現・よしもと漫才劇場)」の予選で舞台出番をつかみ取った時でした。当時、彼は大学1回生(1年生)の素人にもかかわらず、よしもとの養成所NSCの学生たちの中から勝ち抜いたのでした。
■NSC特待生に推薦
背が高く、厚みのないヒョロヒョロした感じで、一瞬ヤバい人なのかと思う、ちょっと“狂気を感じる”ような鋭い目つきに、何が出てくるんだろうと期待と不安を感じさせました。ところがフリップ芸を始めた瞬間、人が変わったように自分の世界に入り込み、喜怒哀楽の表情を駆使して次から次へと出てくる斬新なワードセンスに感心させられ、舞台監督と「R―1のチャンピオンになれる素材ですね」と話していたものです。当時劇場のアドバイザーを務めていた私は、舞台直後に「もし興味があればいつでもダメ出しするからNSCに来たらいい」と伝え、よしもとに掛け合って粗品君をNSCの「特待生」にしました。