著者のコラム一覧
荒木経惟写真家

1940年、東京生まれ。千葉大工学部卒。電通を経て、72年にフリーの写真家となる。国内外で多数の個展を開催。2008年、オーストリア政府から最高位の「科学・芸術勲章」を叙勲。写真集・著作は550冊以上。近著に傘寿記念の書籍「荒木経惟、写真に生きる。荒木経惟、写真に生きる。 (撮影・野村佐紀子)

<74>シャーロット・ランプリングも歳を重ねてからのほうが断然いい

公開日: 更新日:

 彼女は女優のシャーロット・ランプリングだよ。来日したときに、ホテルで撮影したんだ。この視線、いいよな~。素敵なんだよ。オレは彼女の映画「愛の嵐」にオマージュして、『愛の嵐』とゆー写真集をつくったんだよね。(シャーロット・ランプリングは1946年生まれのイギリスの女優、歌手。リリアーナ・カヴァーニ監督の1974年の映画「愛の嵐」での、ナチス帽を被り上半身トップレスにサスペンダーで歌い踊るユダヤ人少女の姿は強烈な印象を残した。荒木はタイトルを『愛の嵐』と名付けた写真集を1982年に刊行)。

 そうか、撮影したとき彼女は56歳だったんだねぇ。女性は歳をとることでも美しくなる。年齢ってイコール積み重ねてきた時間だからね。シャーロット・ランプリングも若い頃より歳を重ねてからのほうが断然いいもんね。女は歳をとらないと本物の美に到達できないと思っていればいいんだよ。若い頃より増えた顔のシワだって、悲観するんじゃなくて「このシワのおかげでいい顔になってきたな」って思えばいいんだよ。

■観客と一緒に見ててくれたって…会いたかったな

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