高校野球大好きピン芸人かみじょうたけし「球児のヒューマンドラマを伝えていきたい」
かみじょうたけしさん(芸人/44歳)
関西を中心に活躍する、かみじょうたけしさんは高校野球大好きのピン芸人として大人気。甲子園球児の話をしたら、止まらない。右に出る者なし。死ぬまでにやりたい、見続けたいのは、やっぱり、無名でも熱い高校球児たちのヒューマンドラマだという。
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今年の夏の甲子園であげるなら、やっぱり仙台育英と下関国際の決勝戦です。8対1で点差は7点だけど、現場で見てたら、そんなに点差がついたような空気感はなくて素晴らしい試合だったなと思います。
七回に満塁ホームランを打った仙台育英の岩崎生弥君。彼は宮城大会ではベンチに入っていなくて、甲子園からベンチ入りしたけど、彼が入ったことで外れた子がいるわけです。それが高校野球の光と影というか。その子が岡田大成いうて僕の淡路島の中学の同級生の息子やったんです。彼女とは同じクラス、席も隣で仲よしで。
決勝戦が終わって誰もいなくなった甲子園の外を一人歩いていたら、前から仙台育英のタオルを首からかけた夫婦が歩いて来ました。それが岡田のご夫婦やった。「お疲れさん」と挨拶してから「ベンチ入りできへんかったけど最後まで頑張ったな」言うたら、「メンバー入りへ大切な練習試合で岩崎君はホームラン、息子は三塁打やった。大成は、あの三塁打が自分の精いっぱいの結果やから納得してるって言ってた。だからそれでいいねん」と岡田の母ちゃんが言うんです。岩崎君は満塁ホームランを打ってスーパースターや。僕が同じ立場やったら思うところあると思うけど、彼女は「岩崎君のおかげで大成も報われたよ」言うて。僕は素晴らしいなと思って泣きそうになりました。