高校野球大好きピン芸人かみじょうたけし「球児のヒューマンドラマを伝えていきたい」

公開日: 更新日:

かみじょうたけしさん(芸人/44歳)

 関西を中心に活躍する、かみじょうたけしさんは高校野球大好きのピン芸人として大人気。甲子園球児の話をしたら、止まらない。右に出る者なし。死ぬまでにやりたい、見続けたいのは、やっぱり、無名でも熱い高校球児たちのヒューマンドラマだという。

 ◇  ◇  ◇

 今年の夏の甲子園であげるなら、やっぱり仙台育英と下関国際の決勝戦です。8対1で点差は7点だけど、現場で見てたら、そんなに点差がついたような空気感はなくて素晴らしい試合だったなと思います。

 七回に満塁ホームランを打った仙台育英の岩崎生弥君。彼は宮城大会ではベンチに入っていなくて、甲子園からベンチ入りしたけど、彼が入ったことで外れた子がいるわけです。それが高校野球の光と影というか。その子が岡田大成いうて僕の淡路島の中学の同級生の息子やったんです。彼女とは同じクラス、席も隣で仲よしで。

 決勝戦が終わって誰もいなくなった甲子園の外を一人歩いていたら、前から仙台育英のタオルを首からかけた夫婦が歩いて来ました。それが岡田のご夫婦やった。「お疲れさん」と挨拶してから「ベンチ入りできへんかったけど最後まで頑張ったな」言うたら、「メンバー入りへ大切な練習試合で岩崎君はホームラン、息子は三塁打やった。大成は、あの三塁打が自分の精いっぱいの結果やから納得してるって言ってた。だからそれでいいねん」と岡田の母ちゃんが言うんです。岩崎君は満塁ホームランを打ってスーパースターや。僕が同じ立場やったら思うところあると思うけど、彼女は「岩崎君のおかげで大成も報われたよ」言うて。僕は素晴らしいなと思って泣きそうになりました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動