映画「キャロル・オブ・ザ・ベル」の監督に聞く 戦禍のウクライナで製作、公開を続ける理由

公開日: 更新日:

オレシャ・モルグネツ=イサイェンコさん(映画監督)

 ミサイルの轟音と爆発音、そして悲鳴。ロシアの猛攻撃で、市民や子どもたちが逃げ惑う姿が連日中継されている。そんなウクライナの首都キーウに残り、同地出身の映画監督オレシャ・モルグネツ=イサイェンコさん(38)は新作「キャロル・オブ・ザ・ベル」を完成させた。

  ◇  ◇  ◇

 ──死と隣り合わせなのでは。

「そうですね。ここ2~3週間は攻撃が激しさを増し、弾道ミサイルで隣の建物が破壊されて、窓ガラスが飛んできます。夜中や早朝も狙われ、本当にロシアが、私たちウクライナの民間人を脅かそうとしているのが分かります。正直、気分がとても落ち込んでいます。5歳の長女が、大きな音が響くと、とても怖がるんです。今の暮らしは精神的にとても厳しく、トラウマになるかもしれません」

 ──それでも離れないのはなぜですか?

「キーウで生まれ育ったから、というのがまずあります。ここは自分の国で、家族と暮らしてきた家、そして、すべき仕事がある。この土地に暮らすことは、それだけで私たちの力の源なのです。それに、ここに居続けることでロシア、さらにロシアの世界観に対する『ワクチン』になると思うんです」

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」