NHK朝ドラ「らんまん」絶好調に数々の“仕掛け”…「ん」で終わるタイトルは必ずヒット?
「はじめから主人公の波乱の人生とハッピーな結末がわかっている究極のネタバレなわけですが、だから安心して見てられるというのがいいんでしょうね。一日の始まりに、ヒロインを次々と不幸が襲うような暗いドラマは見たくありませんよ。知られている人物のサクセスストーリーなら、イジメられたり、不運に見舞われても、『最後に全部ひっくり返るんだよね』という楽しみがあるので、“途中脱落”も少ないんです」(放送作家)
■ささやかな成功を丁寧に
そうはいっても、主人公の“失敗と成功”のエピソードばかりでは飽きられる。そのあたり、近ごろの朝ドラは実に芸が細かい。脇役や周辺人物の“ささやかな成功”も丁寧に描く。
たとえば「らんまん」では、当主・万太郎(神木隆之介)の世話を言いつかって苦労していた奉公人の竹雄(志尊淳)が、ずっとあこがれてきた本家の娘・綾(佐久間由衣)とようやく一緒になれたり、貧乏長屋の住人は働き口が見つかったり、東京大学植物学教室の凡才たちも図鑑の編纂という生きがいを見つけたりと、幸せが配分されるようになっているのだ。