寝酒より効果的 不眠が気になったら首凝りほぐし
夏の暑さは、不眠症の引き金になる。では、秋になって涼しくなれば、それが解消するかというと、必ずしもそうでもない。秋から冬にかけて長引き、慢性化する人もいる。そんな不眠症の“震源地”が、意外にも首にあるという。東京脳神経センター理事長の松井孝嘉氏が言う。
「夏は、クールビズで首回りが露出され、通勤電車や社内でエアコンの冷気が直撃します。冷気に当たり続けていると、首の血行が悪くなり、首が凝り、首の奥を通っている自律神経が圧迫される。自律神経障害の症状のひとつとして、不眠症が表れるのです。なぜ秋まで続くか? クールビズは9月いっぱい続き、電車や社内のエアコンもそれくらいまで使われている。知らず知らずのうちに“首凝り”が固定化し、夏の不眠症が慢性化するのです」
Aさん(48)は、30代半ばから仕事や家庭のイライラで寝られないことがしばしばあったが、不眠が続くのはせいぜい2日。3日目には、極度の睡眠不足と仕事の疲れで爆睡するのが常だった。
ところが、2年前の夏を境に悪化した。連日、35度前後の猛暑に加えて熱帯夜。タイマーをセットしてクーラーをかけて床に就くが、タイマーが切れると、じっとりとした暑さで目が覚める。もう一度セットして眠るが、寝たり起きたりの繰り返しの毎日で、いつしか眠れなくなったという。