寝酒より効果的 不眠が気になったら首凝りほぐし
■右腕にしびれ
「首の凝り? 当時の私は首凝りを自覚していませんでしたが、言われてみれば、首から肩にかけて無意識のうちに揉んだりしていましたね。その辺りが凝っていたんでしょうね。使い慣れた枕なのに、横になってもなじんだ感じがなく、ポジションを探してゴロゴロする。日増しに寝つきも悪くなりました」
それまで平均6時間睡眠だったのが、平均3~4時間に。寝不足で横になっても、熟睡できなかったのがつらかった。イライラして、集中力も落ち、ミスも増える。ダマしダマし仕事を続けて1年ほど過ぎたころ、右腕がしびれて上がらなくなった。「五十肩か?」と不安になり、会社の近くで評判の鍼灸師にかかったら、「頚椎症」と言われた。首の凝りで、腕に伸びる神経が圧迫されて、しびれていた。原因は、やっぱり首だった。
半年くらいかけて首を中心に鍼の施術を受けたところ、腕のしびれはもちろん、慢性的な不眠症が解消したのがうれしかった。
「自律神経は血圧や発汗、消化、脈拍、呼吸、気持ちなどさまざまな働きを調節しているので、障害になったときの症状がとても幅広い。そのひとつに不眠症があるのですが、患者さんはよもや首に原因があるとは思いません。だから放置されやすいのですが、“首凝り”が解消され、自律神経の障害が解消されると、不眠症もおのずとよくなるのです」(松井氏)
自律神経のバランスが整うため、イライラしたり、落ち込んだりしなくなる。気持ちが落ち着くのも安眠のサポートに。眠れない人は、寝酒より、首をほぐした方がいいかもしれない。