おでき、虫歯、水虫…長引く不快症状の犯人は血糖値だった
「昨年は散々な年だった」と話すAさん(43)。年明け早々、後頭部にひどいおできができた。時間がかかってやっとよくなったと思ったら、腕におでき。やはり時間がかかって治ったら、今度は足に大きなおできができた。半年の間に、体の3カ所に、治りの悪いおできができたのだ。このAさん、病院で意外な病気が見つかった。
病院嫌いのAさんは、おできをすべて市販の塗り薬で対処していた。妻から「しょっちゅうおできができるのはおかしいから、病院に行って」と強く勧められ、重い腰を上げたのは昨年秋。検査の結果、医師から告げられたのは「糖尿病。何年も前から血糖値が高かったはず。もっと早く受診すべきだった」という言葉だった。
忙しさを理由に健康診断を受けてこなかったAさんは、一言も返せなかった。
おできは感染症の一種で、風邪、虫歯、歯周病、水虫なども感染症だ。これら感染症は、糖尿病と密接な関係にある。
「血糖コントロールがうまくできていないと、免疫機能が低下し、感染症にかかりやすく、重症化しやすい。最悪、命を失います。身近なものでいえば、風邪が挙げられます。しょっちゅう風邪をひき、なかなか治らなければ、もしかしたら血糖コントロールの不良と関係しているかもしれません」(東邦大学医療センター大森病院 糖尿病・代謝・内分泌センターの弘世貴久教授)