「水泳はカラダにいイイ」は誤解…突然死多い理由を医師解説
水泳は突然死しやすいスポーツだ。「突然死のスポーツ種目」という研究によると、0~39歳ではランニングに次いで第2位、40~59歳でゴルフ、ランニングに次いで3位に位置付けられている。なぜなのか? 石原藤樹医師が言う。
「水泳の最大のリスクは水圧です。そのせいで、陸上運動に比べて血圧が上がりやすい。しかも、水から出る時には、急に体にかかる圧力が減り、心臓に戻る血液量が減少。一時的に心臓を動かす血液が不足する心筋虚血という状態になります。そうすると心臓からSOS信号が発せられ、胸に痛みが出る。これが狭心症です」
最悪の場合、急性心筋梗塞を起こしてしまうというから恐ろしい。
問題はそれだけじゃない。
「呼吸が多いことを過換気といい、それが原因で自律神経がおかしくなって、手足のしびれなどが出ることがあります。息を大きく吸い込んでから泳ぐ人を見かけますが、過換気による自律神経障害から酸素不足を自覚できず、低酸素から意識喪失になって溺れることもあります」(石原氏)
耳や鼻から入ってくる水が“耳栓”となって耳奥の気圧変化を起こし、毛細血管の破裂で三半規管の機能が低下する可能性も。水泳には慎重さが必要だ。